野生動物が好きな方なら、誰しも一度は外来種がもたらす問題について耳にしたことがあるでしょう。
外来種とは生物が生息していない場所に人為的な要因によって運び込まれ、そこに住み着いてしまうことです。
外来種により本来生息していた在来種が住処を追われ数を減らしてしまう、という事例は度々起こっています。
勿論悪いのは人間で、生き延びるために精一杯暮らしている外来種そのものに罪はありません。
そんな外来種に追い詰められてしまったのが今回紹介するワライフクロウです。
悲しい運命を辿ったワライフクロウ、一体どんな生き物なのでしょう。
ワライフクロウの特徴や生態、かつて見られた野生の生息地について解説します。
ワライフクロウの特徴
ワライフクロウは鳥綱フクロウ目フクロウ科に属しており、かつてはさほど珍しくはない野生動物の1つでした。
焦げ茶を基調とした中にクリーム色の斑点模様が入り混じった体色で、目の周りだけくりぬかれたように白くなっています。
体長40cm前後になる中型のフクロウです。
まるで高笑いしているかのような鳴き声が特徴的で、英名もLaughing Owlと名付けられています。
その独特の鳴き声を気に入る人もたくさんいたそうで、ペットとして捕獲され徐々に生息数を減らしていったそうです。
またワライフクロウを解説する上で欠かせない動物がアナウサギです。
アナウサギとはその名の通り巣穴を掘って暮らす習性のある動物で、現在ペットとして流通しているカイウサギの多くはこのアナウサギを改良したものになります。
親しみのある一方、人為的に移入された先で想像以上に繁殖してしまい、農作物に多大な被害を与えたこともあるそうです。
アナウサギはワライフクロウにとっては格好の獲物だったのですが、悲劇が起こります。
アナウサギを駆除するため、今度はアナウサギの天敵であるイタチやオコジョを持ち込んだのです。
その結果アナウサギは数を減らしていったのですが、イタチやオコジョはアナウサギだけではなくワライフクロウも捕食していきました。
更に船に紛れ込んでいた海外のネズミに卵も食べられてしまったそうです。
こうしてワライフクロウは生け捕りやイタチたちによって生息数が減少していき、1914年を最後に私達の前から姿を消しました。
ハブ退治の為にマングースを放った結果数を減らしてしまった沖縄のアマミノクロウサギの件ともよく似ており、人間が気軽な気持ちで生態系に手を出してはいけないという事がよく分かる例ですね。
かつては身近な生き物だったのに…悔やんでも悔やみきれないと思います。
ワライフクロウの生態
[ad#co-1]多くのフクロウたちと違わず肉食性かつ夜行性であり、暗くなってくると活発に動き出します。
主に小型哺乳類や昆虫などを食べ、低い木の枝などから獲物を探し上から襲撃したそうです。
あまり飛ぶのは得意では無かったそうで、長時間の飛行は難しかったと言われています。
ワライフクロウの生息地には哺乳類がほとんど生息しておらず、また島という閉ざされた空間であったため外来種に対抗する手段を持ち合わせていなかったそうです。
野生のワライフクロウがいる生息地
ワライフクロウはかつてニュージーランドに生息していたそうです。
日本もそうですが、島国であるニュージーランドにはキーウイなど独自の動物が多く生息しています。
ワライフクロウが今も生息していたら、キーウイと並んでニュージーランドを代表する鳥になっていたかもしれないですね。
まとめ
・ワライフクロウは外来種によって絶滅した生き物
・ワライフクロウは外来種へ抵抗する術を持っていなかったとされている
・ワライフクロウはニュージーランドに生息していた
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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