ヤクヤモリの特徴と生態│販売購入や飼育は可能なのか

世界遺産にも登録されている屋久島は、南海の孤島でありながら2000m近い山々にも恵まれています。

そのため亜熱帯から亜寒帯まで様々な環境が1つの島の中に存在し、世界的に見ても稀なほど多様な動植物が生息しています。

ヤクヤモリは、そんな屋久島で発見された生き物です。

名前からすると屋久島でしか見つからないようにも感じますが、実際はどうなのでしょうか。

今回はヤクヤモリの特徴と生態、販売値段や飼育が可能かどうかについてご紹介します。

目次

ヤクヤモリの特徴

ヤクヤモリは、爬虫類有鱗目トカゲ亜目ヤモリ下目ヤモリ科ヤモリ亜科ヤモリ属の生き物です。

日本の固有種で、生息地は屋久島、種子島、馬毛島。九州南部にも分布しています。

屋久島以外にもいるのにヤクヤモリとは妙な感じですが、最初に確認された個体が屋久島のものだったため、この名がつけられました。

日本と大陸が地続きだった大昔に南の方から進出し、海面の上昇と共に孤立。これら地域の個体のみ生き残ったと推測されています。

体長は12cmから15cm。ヤモリの仲間としては日本最大種です。

一般的なヤモリと比べてやや長めの指を持ち、わりと頭でっかちで、体長の半分以上を尻尾が占めます。

体色は灰色から黄褐色、黒に近いものまで個体差があり、背中には黒い斑模様がつくことが多いのですが、この濃さもまた様々です。

ヤクヤモリの生態

[ad#co-1]

ヤクヤモリは、主に海岸周辺の森林に生息しています。

狙う獲物は小型の昆虫など。ガジュマルやアコウの隙間に潜み、その幹や根を器用に這い回りながら暮らしています。

彼らが垂直の樹皮をも登れる秘密は、指先にある趾下薄板という器官にあります。

これは数十万本もの極細の毛が集まったもので、樹皮などに触れさせるとファンデルワールス力という作用が発生します。

ナノレベルの体毛が壁面の凹凸にぴったりと貼り付いて、ヤモリの軽く小さな体を支えるのに十分な摩擦力を生み出すのです。

「もっとも弱い化学結合」と呼ばれ、生物というよりサイエンスの分野で注目、研究されている力なのだとか。

ヤモリの仲間なら大抵が備えている能力ですが、彼らがそんな効果を利用して生活しているなんて、ちょっと驚いてしまいますね。

ヤクヤモリの販売値段について

大きめの頭とワイルドな風貌が魅力的なヤクヤモリですが、残念ながら彼らを販売・購入することはできません。

なぜなら、ヤクヤモリは環境省のレッドリストにおいて、絶滅危惧II類に指定されているからです。

九州南部の個体も他のヤモリの仲間との競合に押されつつある中、屋久島など他の地域でも人為的に外来のヤモリが流入。

ヤクヤモリの楽園が脅かされるだけでなく、近縁種なだけに雑種が誕生し、遺伝子的な混雑も懸念されています。

特に屋久島の個体については、世界遺産であるために、自然環境に対して積極的な対応が取りにくく、見守るに近いのが現状です。

ヤクヤモリの飼育は可能?

前述の通り、ヤクヤモリは絶滅危惧種に指定されているため飼育することはできません。

一時的な保護であっても後に問題となる可能性があるため、彼らの生息する地域でヤモリを捕まえてもすぐに解放しなければなりません。

時には古い寺社や、民家の庭先にも姿を現すヤクヤモリ。

骨格が脆く、人間の指に噛みつくだけで顎が折れることもあるので、彼らに触れる時は優しく扱ってあげましょう。

まとめ

・ヤクヤモリは、屋久島、種子島、馬毛島、九州南部に生息する日本固有種

・ヤモリとしては日本最大種だが、他種のヤモリとの競合に押され個体数は減少している

・ヤクヤモリは現在絶滅危惧種に指定されており、販売、購入、飼育、いずれも禁止されている

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

[ad#co-1]

生き物好きの方にシェアしてこの情報を届けませんか?
記事が参考になったという方は
FBなどで「いいね!」もお願いします^^!






よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次
閉じる