名は体を表すの言葉通り、その特徴が名前の中に取り入れられている生き物はたくさんいます。
海面上を滑空するトビウオ、目の周りが白いメジロ、雪の多い地域に生息するユキヒョウ。例を挙げればきりがありません。
コモチカナヘビも、そんな名は体を表す生き物の一種です。
しかし、“子持ち”とはどういうことなのでしょうか。子孫を残すことは生物の目的の一つですが、そこに特別な秘密があるとでも?
今回はそんなコモチカナヘビの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
コモチカナヘビの特徴
コモチカナヘビは、爬虫類有鱗目トカゲ亜目スキンク下目カナヘビ科コモチカナヘビ属の生き物です。
本種のみでコモチカナヘビ属を構成しており、分類としては希少な種だと言えます。
西はイギリスから東は日本の北海道まで、ユーラシア大陸を横断する形で広い地域に分布しています。
北極圏に近いスカンジナビア半島でも元気に生き抜いており、トカゲの仲間の中でもっとも北部に生息する種です。
体長は14センチから18センチ。その半分以上を長い尻尾が占めています。
鱗に細かい凹凸があり、見た目はデコボコとした印象があります。頭部や手足に比べて胴が太く、小さいながら迫力のある生き物です。
体の色は褐色を基本に、地域によって多種多様。黒や灰色、黄色っぽいもの、中には腹部が青や赤になっている個体もいます。
コモチカナヘビの生態
[ad#co-1]コモチカナヘビは、草原、森林、湿原、海岸、農耕地など様々な場所に生息しています。
トカゲの仲間の中では寒さに強い種ですが、そこは変温動物。寒い日は体が温まるまで岩の上などで日向ぼっこをしています。
地表で生活し、狙う獲物は小型の昆虫やクモなど。イタチなどの天敵に襲われると、尻尾を切り離して素早く逃げ出します。
四月から五月にかけて繁殖期を迎え、一度に三個から十五個ほどの卵を…生まずに、直接赤ちゃんトカゲを“出産”します。
コモチカナヘビは雌の体内で卵を孵す、卵胎生という珍しい繁殖方法を持っています。これが“子持ち”カナヘビの名前の由来です。
これは寒い地域に適応するために身に着けた能力だと考えられています。雌の体の中なら、寒さで卵が育たないなんてことはありません。
一方で、比較的暖かい地域に生息するコモチカナヘビの中には、普通に卵を生んで繁殖する個体群も存在します。
卵胎生の個体と卵生の個体の間でも繁殖は可能ですが、孵化しない卵の割合が多くなるそうです。
コモチカナヘビの販売値段について
コモチカナヘビは寒さに適応している分、暑さに弱い種です。通常の爬虫類とはまったく異なる飼育方法が必要となります。
その飼育難度から流通量も少なく、爬虫類専門店でも滅多に仕入れません。
それほど希少な種ではないので値段はそこそこ程度ですが、購入できる機会自体があまり無いのです。
もしコモチカナヘビを購入したいなら、店頭に並ぶタイミングを逃さないようにしましょう。
コモチカナヘビの飼育は可能?
コモチカナヘビはユーラシア大陸に幅広く分布する種であり、現在絶滅の心配は無いとされています。
しかし地域によっては開発などで個体数が激減し、限定的な絶滅危惧種に指定されていることもあるようです。
彼らの飼育をご検討中であれば、自分の暮らす地域で彼らがどう扱われているか、調べておくことが大切です。
まとめ
・コモチカナヘビは、イギリスから北海道までユーラシア大陸に広く分布する生き物
・コモチカナヘビは比較的寒い地域に適応した種で、卵胎生という特殊な繁殖方法を持つ
・コモチカナヘビは比較的安価で購入できるが、流通量自体が非常に少ない
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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