日本には固有種のモグラが何種類か存在しています。
その中でも数が多くてメジャーな存在とされているのがアズマモグラとコウベモグラです。
よく似た2種類ですが、彼らにはどんな違いがあるのでしょうか。
アズマモグラとコウベモグラの違い、それぞれの特徴と分布について解説します。
アズマモグラの特徴
アズマモグラは体長12~16cm、体重50~130gの哺乳類です。
尻尾は2cm程度とごく短め。山に住んでいる個体は小型に、平地では山地に住む個体の約2倍の大きさと大型になりやすく、生息地により大きさが異なります。
低地から山間部まで広く生息しますが、その中でも特に土壌が豊かな森林を好む傾向にあるようです。
他のモグラと同じように土の中にトンネルを掘り、一日のほとんどをその中で過ごします。
トンネルを掘る過程で邪魔になった土を地上に積み上げ、モグラ塚を形成します。
ミミズや昆虫などを好んで食べますが、ヒルやジムカデ類なども食べるようです。
基本的には肉食性なので、植物は滅多に食べません。
一方で、トンネルを掘ることで農作物の根が乾燥してしまうという被害も起きています。
トンネルの中に繁殖用の巣を作り、そこで春もしくは秋ごろに2~6頭の子供を産みます。
コウベモグラの特徴
コウベモグラは体長13~19cm、体重50 ~180gで、尻尾はアズマモグラとほぼ同じ程度の大きさです。
山や平地に生息し、やはり地下にトンネルを掘って縄張りを形成し用途によって部屋を使い分けます。
積極的に狩りに行くのではなく、トンネル内に落ちてきたミミズや昆虫などを鋭い嗅覚や触覚、聴覚を使って感知します。
一方土の中で暮らしているため、視力はほとんどないようです。
穴掘りが得意なイメージが先行しがちですが、実は泳ぐことも出来ます。
アズマモグラとコウベモグラの違い
[ad#co-1]非常に共通点の多い両者ですが、違いは何でしょうか。
1つ目が体の大きさです。コウベモグラの方がアズマモグラよりも若干大柄になります。
2つ目が前歯の並び方です。アズマモグラは中心に向かって尖り前歯が出ているような状態になっていますが、コウベモグラは緩やかなカーブを描いています。
そのためアズマモグラはミミズを伸びた状態で食べるのに対し、体が大きくトンネルで動きにくいコウベモグラはミミズを伸ばさず折れた状態でも食べるそうです。
生態も見た目も似ている両者の違いはこのぐらいのようですね。本当にそっくりなんですね。
アズマモグラとコウベモグラの分布について
そもそも昔は日本にいるモグラはほとんどがアズマモグラでした。
2~3万年前に他の大陸からコウベモグラが進出してきて、日本の広い範囲に生息していたアズマモグラは徐々に住処を追いやられていったようです。
見た目や餌、生態が似ている両者が同じ場所に生息するとなると縄張り争いが起こることは必然といえます。
体の小さいアズマモグラの方がやや不利ではなかったのではないでしょうか。
現在、アズマモグラは静岡・長野・石川より北部の本州を中心に生息し、コウベモグラは紀伊半島を除く本州の西部を中心に生息が確認されています。
ちなみにアズマモグラはコウベモグラよりも東に生息していることからその名が付けられたそうです。
まとめ
・アズマモグラはコウベモグラよりも体が小さく口が細い
・コウベモグラは大きくてアズマモグラの生息地を追いやってきた
・東日本に多く生息しているのがアズマモグラ、西日本に生息しているのがコウベモグラである
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