ボウシテナガザルという動物をご存知でしょうか。
いかにもサルっぽい顔立ちと、名前にある通りふわふわとした帽子のような白い毛で覆われた頭を持つ、とてもユニークなサルです。
お洒落なボウシテナガザルですが、動物の姿には進化の必然があります。
過酷な自然界において、彼らの姿にはどんな生存戦略が隠されているのでしょうか?
今回はそんなボウシテナガザルの生態や性格、野生での生息地をご紹介します。
ボウシテナガザルの生態
ボウシテナガザルは、哺乳類霊長目テナガザル科テナガザル属の動物です。
体長は40cmから65cm。テナガザル属の他の仲間と同様、足と比べて手が長いのが特徴です。
シロテナガザルに良く似ていて、同種とされることもあるのだとか。
またコンカラーテナガザルの雌もボウシテナガザルと呼ぶことがありますが、これらの種とは近い仲間ながらはっきり別種の動物です。
前述の通り、頭部には白いふわふわした毛が生えているのですが、他の部分の体毛は年齢や性別によって色合いが変わってきます。
子供の頃は、雄も雌も全身が白っぽい毛で覆われています。成長するに従い、雄は手足の先や顔の周り以外は黒い毛へと生え変わります。
雌は腹部から顔の周りにかけてのみ黒っぽくなり、他の部分の体毛は白から灰色に近い色をしています。
一見お洒落なこの姿は、実は彼らの生息環境に合わせた保護色になっています。
ボウシテナガザルは、主に樹上で生活しています。深い森の中で空を見上げると、重なった葉の影が黒く、そこから漏れる光が白く目に映ります。
彼らは雌雄や成長の度合いによって体毛の色を変えることで、森の木々のランダム性をも再現して敵の目を欺いているのです。
主食は果実や木の葉、昆虫、小鳥やその卵など。家族単位の小さな群を作り、長い腕を利用して枝から枝へと素早く移動します。
ウンピョウなどの天敵を避けるため毎日移動を続け、夜になると樹の上で休みます。
地上には滅多に降りてきません。森の切れ間などで地面を歩かなければならない時は、両手を掲げるような姿勢でバランスを取ろうとします。
生まれてから1、2年ほど授乳されて育ち、5年から8年もすると繁殖可能になります。
野生での寿命はよく分かっていませんが、人間の飼育下であれば30年以上生きるようです。
ボウシテナガザルの性格
[ad#co-1]ボウシテナガザルは、基本的に温厚な種だと言われています。
前述の通り彼らの群れは一夫一婦のカップルを基本としており、家族で協力しあって生活しています。
喉袋を使って数キロ先まで届くような大声で鳴き、家族同士、あるいは群れ同士で積極的にコミュニケーションを取ります。
群れの中でも複数の鳴き声を使い分けているとする研究者もいて、原始的な言語のようなものなのかもしれません。
ボウシテナガザルの野生での生息地
ボウシテナガザルは、タイ、ラオス、カンボジアにかけて生息しています。
河口付近の熱帯林から、標高1500mほどにある森林まで、住処となる豊かな森さえあれば様々なところで生きていけます。
しかし開発や森林伐採が進んだ結果、その個体数は激減。
現在はテナガザルの仲間の中でもっとも絶滅が心配される種として、絶滅危惧種に指定されています。
まとめ
・ボウシテナガザルは、頭部にふわふわした白い毛を持つ雑食性のサル
・ボウシテナガザルは一見お洒落な彼らの姿は、樹上生活をする上での保護色になっている
・ボウシテナガザルはタイ、ラオス、カンボジアにかけて生息する絶滅危惧種
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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