ハブは日本でもっとも大きく、かつ危険な毒ヘビです。
強力な毒と、近づく者に容赦なく襲い掛かる気性の荒さを併せ持ち、咬まれれば命にも関わる事態となります。
そのハブが生息する沖縄に、見た目がハブにそっくりで、サイズがハブの半分ほどもないヘビがいます。
彼らは子供のハブではなく、その近縁種であるヒメハブという生き物です。
やはり毒を持っているのでしょうか。もし咬まれたら、どうすれば…?
今回はそんなヒメハブの特徴と生態、毒性や咬傷などの後遺症についてご紹介します。
ヒメハブの特徴
ヒメハブは、爬虫類有隣目ヘビ亜目クサリヘビ科マムシ亜科ヤマハブ属の生き物です。
沖縄諸島と奄美諸島にのみ生息する日本固有種で、背に暗い色の斑紋を備えた褐色の肌をしており、パッと見た感じはハブに似ています。
体長は30cmから80cm。ハブが100cmから200cmにも達することを考えると、半分以下の大きさです。
体の長さのわりに胴が太く、尻尾の先端だけが細いというユニークな姿をしており、本種の外見的な特徴になっています。
有毒のヘビで、毒腺を収納している頭部は頬の辺りが膨らんでおり、上から見ると三角形に見えます。
ヒメハブの生態
[ad#co-1]ヒメハブは森林や草原に生息しており、民家の近くにも現れます。
特に水辺を好み、川部や水田などの環境に順応し、危険を感じると水中に飛び込んで泳いで逃げることもあるほどです。
動きは鈍く、人間に見つかってもじっとしていることが多いため、沖縄の言葉で“のろま”を意味する「ニーブヤァー」という別名があります。
ネズミやトカゲ、魚などの小動物を捕食する肉食性。中でもカエルは大好物で、ヒメハブの獲物の大半はカエルだと言われています。
繁殖期は7月から8月。一度に数個から十数個の卵を産みます。
この卵の殻は非常に薄く、中の子供は産卵した時点でほぼ育ち切っており、早ければ一日で孵化します。
時には雌の体内で孵化した状態で生まれることもあり、いわゆる卵胎生に近い繁殖形態を持っています。
ヒメハブの毒性
前述の通り、ヒメハブは毒を持つ生き物です。
好物のカエルを捕食する際、彼らはその毒牙で獲物を仕留めてから丸呑みにします。
しかし、ヒメハブ用の血清は作られていません。どうしてかというと、実は彼らの毒はハブの仲間の中ではとても弱いのです。
人間の死亡例は報告されておらず、またヒメハブは非常に動きが鈍いため、咬まれること自体が滅多にありません。
強力な毒と攻撃性の高さで恐れられるハブですが、ヒメハブに関していえば、毒ヘビとしては安全な種だということができます。
ヒメハブの咬傷などの後遺症について
ヒメハブの毒は弱く、万が一咬まれても軽い腫れや吐き気、めまいがする程度です。
ですが、だからといって油断してはいけません。毒が体内でどのような作用を起こすかはケースバイケースであり、素人が判断するのは危険です。
傷口から雑菌が入って体組織が壊死したり、体調不良と重なって症状が長引くこともありえます。
もしヒメハブに咬まれたら、決して放置せず、なるべく早めに病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
・ヒメハブは沖縄諸島と奄美諸島に生息する日本の固有種
・ヒメハブはハブの半分以下のサイズで、卵胎生に近い独特の生態を持つ
・ヒメハブは動きが鈍く咬まれること自体が稀で、さらに毒も弱く人間の死亡例は報告されていない
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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