変温動物である爬虫類は、もともと暖かい気候の中で生活する生き物です。
南北に長い日本においてもそれは変わらず、亜熱帯に属する南西諸島には多くの希少な爬虫類が生息しています。
ミヤラヒメヘビもその一つ。日本のヘビの中でも際立って珍しく、その存在は半ば幻とも言われています。
今回はそんなミヤラヒメヘビの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
ミヤラヒメヘビの特徴
ミヤラヒメヘビ pic.twitter.com/Q9g1ijQ5T1
— – (@Snake_pic2626) June 17, 2014
ミヤラヒメヘビは、爬虫類有隣目ヘビ亜目ナミヘビ科の生き物です。
南西諸島の中でも八重山諸島にのみ、さらにその中の一つである与那国島にだけ分布しています。
体長は27cmから37cmほど。大きい個体でも胴の太さが成人男性の親指ほどしかない、とても小さなヘビです。
頭から尻尾にかけては暗褐色で、おなか側はややその色が薄く、全身が艶やかな光沢を帯びています。
日本固有の種ではあるのですが、台湾や中国、東南アジアに近縁種が生息しており、それらとは亜種の関係にあるとされています。
非常におとなしい性質のヘビで、毒も持っていません。
冒頭で少しご紹介した通り、ミヤラヒメヘビは“幻のヘビ”とも呼ばれています。
なぜそんな異名を持っているのかといえば、彼らが探しても探してもなかなか見つからない、極めて珍しい生き物だからです。
1958年に初めて発見されて以来、間違いなく本種であると確認された捕獲例はわずかに数回のみ。
ネットで検索すれば「これはミヤラヒメヘビではないか」とされる写真もいくつか出てきますが、確かめる術はありません。
日本に生息する生き物の中でも、その希少性はトップクラス。まさに珍獣です。
ミヤラヒメヘビの生態
[ad#co-1]ミヤラヒメヘビは、主に森林を生活の場としていると考えられています。
普段は岩陰や倒木、落ち葉などの下に潜み、自分から日の下へと出てくることはほとんどありません。
狙う獲物は地表の昆虫、中でも特にミミズが好物です。
ミヤラヒメヘビ自身「大きなミミズか?」と一瞬勘違いするほど小さいので、食事中の姿をいきなり見るとちょっとびっくりします。
彼らの研究はあまり進んでおらず、繁殖の時期など分かっていない点も数多く存在します。
そういった意味でも、ミヤラヒメヘビは正しく“幻のヘビ”なのです。
ミヤラヒメヘビの販売値段について
小さくて、毒も持たず、おとなしい性質のヘビ。
これだけ聞くと、初めてヘビをペットとして飼育しようと考えている方であれば、「良さそうだ」と思われるでしょう。
しかし、ミヤラヒメヘビを購入することは不可能です。
彼らは環境省のレッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されており、商取引はもちろん一般人が捕獲することも禁じられています。
ミヤラヒメヘビだといって販売されているヘビがいたとしても、間違いなく偽物か違法に捕獲したものです。気をつけましょう!
ミヤラヒメヘビの飼育は可能?
ミヤラヒメヘビを飼育することは禁じられていますが、台湾や中国に生息する近縁の亜種ならば手に入れるのも不可能ではありません。
彼らも希少な種なので迂闊には購入できませんし、日本に運ぶとなるとその分お金も必要です。
それでも、どうしてもミヤラヒメヘビを飼いたいという方であれば、検討してみてもいいかもしれません。
ケージの中に石や落ち葉などの光から隠れる場所と、生きのいいミミズを用意してやれば、きっと気に入ってくれるでしょう。
まとめ
・ミヤラヒメヘビは親指ほどの太さの小型のヘビで、与那国島に分布する日本の固有亜種
・ミヤラヒメヘビは捕獲例が数例ほどしかなく、“幻のヘビ”と呼ばれている
・ミヤラヒメヘビは絶滅危惧種に指定されており、飼育も購入も禁じられている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
[aside type=”normal”]ヘビについて合わせて読みたい記事がこちら!
日本に生息するヘビの総まとめ
→日本のヘビの種類は?写真や画像付き一覧で名前や生態を紹介![/aside]
生き物好きの方にシェアしてこの情報を届けませんか?
記事が参考になったという方は
FBなどで「いいね!」もお願いします^^!
コメント