アマミヤモリ、オキナワヤモリ、タカラヤモリ、ニシヤモリ。これらは全て、日本に生息するヤモリの仲間です。
実はわりと最近まで、この四種のヤモリは同一種だと思われていました。
いったいどうしてそんな勘違いが? どんな経緯で、それが誤解であることが明らかになっていったのでしょうか。
そんな四種のヤモリの中から、今回はアマミヤモリの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
アマミヤモリ(奄美家守)の特徴
アマミヤモリは、爬虫類有鱗目トカゲ亜目ヤモリ下目ヤモリ科ヤモリ亜科ヤモリ属の生き物です。
奄美大島、さらにトカラ列島の小宝島に分布しており、こちらのものはかつてコダカラヤモリとも呼ばれていました。
体長は10cmを少し超える程度。肌は灰褐色を基本に黄色っぽかったり黒い斑模様が入ったり、かなり個体差があります。
先ほどご紹介したアマミヤモリを含む四種のヤモリたちは、かつてはミナミヤモリと同一の生き物だとされていました。
ミナミヤモリは九州から台湾、中国の南部にかけて幅広く分布するヤモリで、アマミヤモリたちも同じ種だと考えられていたのです。
ヤモリというありふれた生き物であるためろくに研究もされないままでしたが、近年「別種なのでは」という指摘が増加。
改めて調査した結果、九州から南西諸島にかけて四種もの亜種が含まれていたことが分かりました。
こういった「特定の生き物と同一種だと思われていたが、調査の結果亜種だと判明した」生き物のことを、隠蔽種と言います。
アマミヤモリ以下、四種のヤモリたちはミナミヤモリの隠蔽種だったというわけです。
彼らの研究はまだ途上にありますが、アマミヤモリは比較的調査が進んでおり、すでにGekko vertebralisという学名もついています。
アマミヤモリの生態
[ad#co-1]アマミヤモリは、平地から山地にかけての森林を主な生活の場としています。
地表より樹上や岩肌など縦への移動ができる場所を好み、短い手足でしっかり貼りついて素早く這い回ります。
これは彼らの手足の裏に、数十万本もの微細な毛が生えているから可能なことです。
この毛を押しつけることによって発生する強烈な摩擦力のことを、ファンデルワールス力と言います。
小型の昆虫や節足動物を捕食する一方、ヘビや鳥、人間が持ち込んだ食肉類など天敵も少なくありません。
追い詰められた時は、最後の手段として尻尾を自切して囮にします。
尻尾は十分な栄養があればまた生えてくるのですが、ややいびつな形になってしまうことが多いようです。
アマミヤモリの販売値段について
アマミヤモリは、大きめの爬虫類専門店などで販売しています。
南西諸島のごく一部にしか分布していない希少な種であるため、流通量はかなり限られています。
天然物は10000円前後、繁殖個体でも7000~8000円ほどは必要になるでしょう。
アマミヤモリの飼育は可能?
分布域は小さいものの、アマミヤモリは現在十分な個体数がいると考えられており、飼育は可能です。
しかし、気を付けなければならないことが一つあります。
それは「ミナミヤモリとアマミヤモリは、専門家でも見ただけでは判別できないほど姿が似ている」ということです。
アマミヤモリと比べると、ミナミヤモリは安価です。誤って売りつけられないよう、入手する際は十分気を付けてください。
まとめ
・アマミヤモリは、奄美大島と小宝島に分布する日本固有亜種
・アマミヤモリはミナミヤモリの隠蔽種で、現在研究の途上にある
・アマミヤモリは流通量こそ少ないものの購入可能で、繁殖個体も出回っている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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