オキナワヤモリは、かつてはミナミヤモリと呼ばれていました。
名前が変わった? いえいえ、そうではありません。
ミナミヤモリとしてひとまとめにされていた種の中に、複数の亜種が存在することが、近年の研究で判明したのです。
今回はそんなオキナワヤモリの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
オキナワヤモリ(沖縄家守)の特徴
オキナワヤモリは、爬虫類有鱗目トカゲ亜目ヤモリ下目ヤモリ科ヤモリ亜科ヤモリ属の生き物です。
日本固有亜種で、その名の通り沖縄諸島の一部に分布しています。
体長は約10cm。ミナミヤモリと比べてやや小型で、灰褐色の肌に黒い斑模様が入っています。
これは外敵の目をごまかす保護色の役目を果たしており、岩の上にいるとなかなか見つけられません。
遺伝子の解析という新しい技術により、ミナミヤモリの亜種であると分かったのはごく最近。正式な学名もまだつけられていません。
このように「姿が酷似していて同一種だと考えられていたが、実際は別種」という生き物のことを、隠蔽種と言います。
ミナミヤモリには隠蔽種が多く、オキナワヤモリ、タカラヤモリ、ニシヤモリ、アマミヤモリなどが知られています。
これらのヤモリたちの研究はまだ途上にあり、これから本格化していくところです。
オキナワヤモリの生態
[ad#co-1]オキナワヤモリは、平地から山地にかけての森林に生息しています。
食べ物と隠れるところさえあればあまり住む場所にはこだわらないようで、街中や民家の庭先で見かけることもあります。
主な獲物は小型の昆虫。光に集まる蛾を狙って、自販機に貼りつく姿も目撃されているようです。
手足の裏に生えた何十万本もの微細な毛が強烈な摩擦力を発生させ、これにより木でも壁でもスイスイ這い回ることができます。
小さい生き物なので天敵は多く、いざという時は切り離した尻尾を囮にして逃げ出します。栄養が十分なら、尻尾はまた生えてきます。
この地域に棲むヤモリの中では涼しい気候に適応しているのか、冬でも見かけることの多い種です。
これは他のヤモリとの競合を避けるための、一種の生存戦略だと考えられます。
亜種だと分かったのが最近であるため、正確な生態については未調査な部分が多く、今後の研究が待たれます。
オキナワヤモリの販売値段について
オキナワヤモリは、爬虫類専門店などで8000~10000円ほどで販売されています。
かなりの値段ですが、これは彼らの生息地がごく限られた地域であることが原因になっています。
沖縄まで出掛けて、オキナワヤモリを捕まえて運ぶだけでも、結構な費用がかかってしまうのです。
安い買い物にはならないので、ある程度爬虫類に慣れてから購入を検討した方がいいでしょう。
オキナワヤモリの飼育は可能?
オキナワヤモリは、現在準絶滅危惧種に指定されています。
飼育に特に制限はありませんが、今後研究が進めば種の扱いが変わることも十分ありえます。
もし飼育したいと考えておられる方がいれば、のんびりしない方が良さそうです。
同地域のヤモリの中では比較的寒さに強いとはいえ、彼らは暖かい地域の生き物です。寒さ対策はしっかり整えてあげましょう。
まとめ
・オキナワヤモリは、沖縄諸島の一部に分布する日本固有亜種
・オキナワヤモリは、遺伝子研究によって存在が確認された、ミナミヤモリの隠蔽種
・オキナワヤモリは、爬虫類専門店などで8000~10000円で取引されている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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