変温動物である両生類は、暖かい地域でよく見られる生き物です。
しかし寒い地域で彼らの仲間を見ないかというと、意外とそうでもありません。
初めて陸地に上がった生物の子孫である彼らは、長い進化の歴史の中で、寒さに適応した種をも生み出したのです。
エゾサンショウウオも、そんな「寒さに適応した両生類」のひとつ。冬には氷点下が当たり前の場所でも、元気に生き抜いています。
今回はそんなエゾサンショウウオの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
エゾサンショウウオの特徴
エゾサンショウウオは、両生類有尾目サンショウウオ上科サンショウウオ科サンショウウオ属の生き物です。
北海道にのみ分布する日本固有種で、サンショウウオ属の中でも特に原始的な種だと考えられています。
全長11cmから20cm。やや大きい頭と、体と比べて細長い手足が特徴です。
前述の通り寒さに強く、冬眠している状態であれば氷点下が当たり前の北海道の冬でもなんなく乗り越えることができます。
地域によって形状や生態に微妙な違いがあり、特に幼生の時期にはそれが顕著です。
中でも倶多楽湖の一部個体群は、幼生のまま繁殖可能になるまで成熟する…いわゆるネオテニー化することが知られていました。
残念ながら十分な研究が始まる前にネオテニー化の特性を持つ個体群は姿を消し、現在は絶滅したと考えられています。
エゾサンショウウオの生態
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エゾサンショウウオは、平地から山地にかけての沼や沢などの周辺に生息しています。
小型の昆虫やクモを捕食し、四月から五月にかけての繁殖期には水中に入ってパートナーを探します。
この時期、雌を探すために効率よく泳げるよう、雄は体側面が弛んで尻尾がヒレ状に変化します。
湖岸や池、水たまり、道路の側溝、用水路など、水中でさえあれば産卵場所を選びません。
コイル状の卵嚢から孵化した幼生は、水温の低い高地などを除いて、その年の内に陸地へ上がります。
この急激な成長速度には秘密があります。エゾサンショウウオの幼生には、共食いをする習性があるのです。
仲間を食べた個体は一気に成長し、自分より小さい幼生を一飲みにできるよう、また自分が共食いされないよう頭部が大きくなります。
恐ろしい話ですが、これが人類が生まれる遥か前から繰り返されてきた、エゾサンショウウオの生存戦略なのです。
エゾサンショウウオの販売値段について
開発などで数を減らしつつあるエゾサンショウウオですが、まだその生息数は安定していると考えられています。
もし購入することをご検討されているなら、大きめのペットショップなどで探してみるといいでしょう。
大人の個体が3000円前後、幼生ならその半分くらいの値段で買うことができます。
エゾサンショウウオの飼育は可能?
エゾサンショウウオを飼育する場合、いくつか気を付けなければならないことがあります。
ひとつは、彼らが幼生の時期に共食いをする習性があるということ。同じ水槽にたくさん放すと、大変なことになりかねません。
もうひとつは温度管理。変温動物を飼う時の基本ですが、エゾサンショウウオは寒さに強い代わりに暑さには弱い特徴があるのです。
30度を超える気温の中で長いこと過ごすと、エゾサンショウウオは弱ってしまいます。
夏場は必ずエアコンの効いた部屋に、ケージを置いてあげましょう。
まとめ
・エゾサンショウウオは、北海道に分布する日本固有種
・エゾサンショウウオはサンショウウオの中でも原始的な種で、寒さに強い特徴を持つ
・エゾサンショウウオの値段は3000円前後だが、幼生は共食いの習性があるので注意
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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