あまり聞き慣れない動物で日本にはキョンというシカに似た生き物がいます。
日本であれば主に千葉県や伊豆大島で観察することができます。
今回はそんなキョンの生態について深掘りしていきます。
キョンの生態

キョンはホエジカの仲間でイヌに似たような鳴き声で鳴くのが特徴的です。
体長は70-100cm程度でニホンジカよりも一回り小さく、短い角と牙があります。
目の下に臭腺の口があり、それがつぶった眼のように見えることから四つ目鹿(ヨツメジカ)とも呼ばれています。
ちょっとのこの目の開口部の見た目はちょっとは気持ち悪いですね…。
日本にいるシカとは違って群れなどは作らずに単独で生活をします。
日本では特定外来生物
キョンは日本には野生で生息していなかった動物で、元々は台湾や中国に自然分布していた動物です。
現在は千葉県と伊豆大島で増えてしまっています。
千葉県では過去にあった観光施設である『行川アイランド』で飼育されていたものが逃げ出して、天敵もいない環境だったため増えてしまったと言われています。
2014年度末の段階の調査では推定47000頭まで増えてしまっており、農作物の被害もひどくなっています。
同じく伊豆大島でも似たような状況です。
大島には無料で入れる都立大島公園という動物園があり、台風の時に柵が壊れたことによってキョンが逃げ出してしまったそうです。
天敵もいない環境なので島全体で野生化してしまい、現在は伊豆大島の人口よりも多い頭数がいると推定されています。
伊豆大島では名物である明日葉が食べられてしまっており、年間にして400万円も被害を受けています。
駆除を徹底するのは不可能?
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これだけ色々と弊害があるにも関わらずキョンは鳥獣保護法で狩猟対象になっていないため、駆除は罠を使用した捕獲しか出来ないのです。
元をたどると人間が悪いので一番迷惑しているのはキョンの方だとは思いますが、法律が変わらない限りはキョンの駆除を完全に行うのは不可能かもしれません。
ただ、駆除するというのは心もとないので何か上手く利用する形をとれると理想的なんですけどね…。
キョンは食用の動物なの?
食用で育てられた動物ではないですが、原産地である中国や台湾では料理の材料として使われています。
薄くスライスして食べるか、野菜と炒めて食べるのが主流です。
味はニホンジカよりもクセがなく美味であることから、狩猟対象にされることを望まれています。
中々機会はなさそうですが食べてみたいですね…。
また、意外な利用方法があり、なめし皮がきめ細かいことから高級品として扱われているとのこと!
用途としては楽器とかカメラのレンズの手入れに使う素材になるらしいです。
まとめ
・キョンは台湾、中国原産の動物で日本では動物園から逃げ出した個体が繁殖してしまった
・特定外来生物で千葉県や伊豆大島では農作物の食害が起きている
・肉は鹿よりも美味しく、料理以外にも皮が高級品として利用されている
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