水中に産み付けられた卵からオタマジャクシが孵り、手足が生えて尻尾が無くなり、陸に上がる。日本人なら誰もが知っているカエルの生態です。
しかし、世界は広く動物の生態も多種多様。水中に卵を産み付けないカエルがいることをご存知でしょうか。
それがモリアオガエル。樹上での生活に特化した、日本の固有種です。
今回はそんなモリアオガエルの特徴、生態、販売値段や寿命についてご紹介します。
モリアオガエルの生態
モリアオガエルは、両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属の生き物です。
体長は大人の雄で4~6cm、雌は6~8cmほどになり、指先には吸盤が付いています。
喉元に鳴嚢という袋状の器官を持っていて、これを膨らませて大きな声で鳴きます。
カエルの鳴き声は「ケロロ」と表現するのが一般的ですが、これにかなり近い響きです。日本人にとって、昔から身近な生き物だった証拠だといえるでしょう。
ヘビ、タヌキ、イタチ、アナグマなど天敵は多く、自然界では弱い立場です。
モリアオガエルの特徴
モリアオガエルは、樹上での生活に特化したカエルです。
木を登る時は、指先の吸盤が役に立ちます。細い枝先や葉っぱの上にもこれでへばりつき、落ちることは滅多にありません。
冒頭で説明した通り、モリアオガエルは水中では卵を産みません。ではどうするかというと、木の上に産みつけるのです。
4月から7月にかけて、モリアオガエルは水辺の近くに集まります。
カップルが成立すると、雌は雄を背負ったまま水の上にせり出した枝先に移動し、そこで大量の粘液を分泌します。
この粘液を後ろ脚で掻き混ぜて泡立てて、その中に卵を産みつけるのです。
それから雄が泡の中の卵に向けて精子を放つのですが、この時他の雄が便乗しようと集まってくるため、産卵した雌を中心として団子のような状態になることがよくあります。
卵は一週間ほどで孵化し、オタマジャクシは泡塊の真下にある水面へと落下。一か月ほどかけて親と同じ姿に成長していくのです。
樹上に卵を産みつけるカエルは非常に珍しく、モリアオガエルだけの特徴とも言われています。
こちらは実際に樹上にメスを待っているときのモリアオガエルの生体です。
すでに樹の枝の先端には先に交尾したモリアオガエルの卵塊もくっついていました。
モリアオガエルの生息地
本州のほぼ全域と佐渡島に生息しています。ただし関東平野の個体は人間の手で持ち込まれたとも言われており、自生していたかどうかはっきりしていません。
地域によって体色にかなり差があり、全身が緑色の個体もいれば褐色に近いものまで様々です。
モリアオガエルの食べ物・捕食する対象
モリアオガエルは肉食性で、主な食べ物は昆虫やクモ類などを食べて生きています。
モリアオガエルの販売値段
モリアオガエルは身近な生き物で、一匹数百円から千円ほどで購入が可能です。
オタマジャクシならさらに安く、同じ値段で数匹購入することができます。
餌はコオロギなどの昆虫か、大型の個体ならピンクマウスも食べます。オタマジャクシの時なら金魚の餌でOKです。
視力が弱く、まったく動かない餌には興味を示さないことがあるので、ピンセットなどでつまんで目の前で動かしてやると元気に飛びついてきます。
個体数が多く、絶滅の心配は少ないとされていますが、森林開発などで徐々に生息地は減少しています。
モリアオガエルの寿命:自然下での平均と飼育下
モリアオガエルの寿命は、平均で3~5年ほどと言われています。
人間の飼育下であれば10年ほど生きた個体もいるです。
長く付き合える生き物なので、愛情をこめて大切に育ててあげましょう。
まとめ
・モリアオガエルは、樹上を生活の場とする日本固有のカエル
・モリアオガエルは水辺にせり出した枝先に泡塊を作り、その中に卵を産みつける
・モリアオガエルは本州ほぼ全域と、新潟県の佐渡島に生息している
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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