“ヒバァ”とは、「ヘビ」を意味する沖縄の言葉です。
ヤエヤマヒバァはその名の通り、八重山諸島の一部に分布するヘビの仲間。
しかし、彼らは単に「八重山のヘビ」というだけではありません。ヘビの中でも珍しい、ある特殊な生態を持っているのです。
今回はそんなヤエヤマヒバァの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
ヤエヤマヒバァの特徴
ヤエヤマヒバァは、爬虫類有隣目ヘビ亜目ナミヘビ科ヒバカリ属に分類される生き物です。
日本固有種で、前述の通り八重山諸島の石垣島と西表島に分布しています。
体は黒く、おなか側は黄色から褐色。このおなか側と同じ色の帯状の模様が、頭から尻尾にかけて縦に数本入ります。
体長は大きい個体で1mほど。胴体が細めで、シャープな印象を受けるヘビです。
実は毒を持っているのですが、毒牙が口の奥にある後牙類と言われるタイプのヘビで、咬んでも獲物に毒牙がなかなか届きません。
そのため人的被害は報告されておらず、そもそも毒ヘビとして扱われないこともあります。
南西諸島というとハブが有名ですが、ガラスヒバァやミヤコヒバァといったヘビも近い地域に分布しており、見た目はとても似ています。
生態もほとんど変わらないため、かつてはこの三種は同種もしくはごく近縁の亜種の関係にあると考えられていました。
しかし近年、それが間違いだったことが判明。現在は別種だとされています。
研究によって明らかとなった、ヤエヤマヒバァが他二種と決定的に異なる点…実は、彼らは「卵を産まない」ヘビなのです。
ヤエヤマヒバァの生態
[ad#co-1]ヤエヤマヒバァは、低地から山地の水辺に生息しています。
肉食性で、カエルが大好物。そのためカエルが繁殖しやすい水田にもよく姿を現します。
毒牙が未発達なため、相手に毒を流し込むにはそれなりの時間が必要です。
咬みついたままじっとして、口に中に染み出した毒が相手の傷口から体内に回るのを静かに待ちます。
性質は活発で、外敵に襲われてもとぐろを巻いて威嚇することが多いです。
春から夏にかけて繁殖期を迎えますが、前述の通り卵を産みません。
ではどうするかというと、雌の体内で卵を孵化させて直接ヘビの赤ちゃんを産むのです。
これは卵胎生と呼ばれる繁殖形態で、同種だと思われていた南西諸島のヒバァの中ではヤエヤマヒバァにのみ見られる生態です。
ヤエヤマヒバァの販売値段
ヤエヤマヒバァは、爬虫類専門店などで5000円から6000円ほどで購入することができます。
今のところ絶滅の心配はされていませんが、生息域が狭いということは環境の変化に弱いということとイコールです。
すでにガラスヒバァやミヤコヒバァは絶滅が心配される状況にあります。
ヤエヤマヒバァの購入を検討されている方は、環境省のレッドリストなどを参照しつつ慎重に検討するようにしてください。
ヤエヤマヒバァの飼育は可能?
ヤエヤマヒバァは毒を持つヘビではありますが、毒ヘビとして扱われることはほぼないので誰でも飼育することができます。
アクティブな性質のヘビなので、飼育環境を整えてやれば元気に動き回る姿を見せてくれるでしょう。
餌はやはりカエルがお好みです。生餌の方が食いつきがいいので、常に用意できる環境を用意できれば言うこと無し。
一応、彼らが毒を持っていることだけは忘れないようにしましょう。
まとめ
・ヤエヤマヒバァは、石垣島と西表島に生息する日本固有種
・ヤエヤマヒバァは毒を持つが毒牙が未発達で、卵胎生という特殊な繁殖形態を持つ
・ヤエヤマヒバァは爬虫類専門店などで5000円から6000円程度で購入可能
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