世間一般におけるカエルのイメージというと、どのようなものを連想されるでしょうか。
ヌメヌメしてる、見た目が気持ち悪い、触りたくない…そんな声が多いかと思います。
しかし、中にはとても美しい姿を持った種も存在します。それがイシカワガエルです。
日本一美しいカエルと称され、宝石にも例えられるイシカワガエル。いったい自然の環境ではどんな生活をしているのでしょうか。
今回はそんなイシカワガエルの特徴と生態、販売値段と寿命についてご紹介します。
イシカワガエルの特徴
イシカワガエルは、両生類無尾目アカガエル科ニオイガエル属の生き物です。
体長は9cmから11cm。雌の方が少し大型で、やや頭でっかちな体形をしています。
足の指先は吸盤状になっていて、木登りや岩に張り付く時に便利です。
おなかは白く、背中は鮮やかな明るい緑色をしていて、暗い褐色の斑点が入ります。
自然界では岩や苔などに紛れるための保護色として有効なこの体色は、単体で見ると実に艶やかです。
近年青い肌の色彩変異個体が発見され、その鮮烈さは一度見たら忘れられないほど。
多くの研究者やカエル好きを唸らせた美麗さから、イシカワガエルは「日本一美しいカエル」と称されています。
沖縄と奄美大島にだけ生息する日本の固有種で、それぞれオキナワイシカワガエル、アマミイシカワガエルと呼ばれています。
日本の他の地域どころか台湾や大陸にも近縁の種がおらず、どのような系統のカエルなのかよく分かっていません。極めて貴重な生き物です。
イシカワガエルの生態
[ad#co-1]イシカワガエルは山地にある森林の中、渓流の近辺に生息しています。
夜行性で、昼は物陰に潜み、夜になると動き出します。
狙う獲物は、昆虫や小さな甲殻類。大きな口でパクリと丸呑みにしてしまいます。
沖縄では1月から2月、奄美大島では4月から5月頃に繁殖期を迎え、雄は小鳥か子猫を思わせる綺麗な声で鳴いて雌を誘います。
一度に数百から千個ほどの卵を、渓流の流れの穏やかな場所に産み付けます。
生まれた子供はその年の夏には手足が生えて陸に上がりますが、一部の個体は翌年までオタマジャクシのまま過ごします。
イシカワガエルの販売値段
美しいイシカワガエルですが、売買は禁じられており、飼育することもできません。
なぜなら、彼らは絶滅危惧種に指定されているからです。
もともとごく限られた地域の清流に生息していたイシカワガエルは、環境の変化に脆弱で開発により次々と棲む場所を失いました。
また、その美しさが仇となり、ペット目的で乱獲され個体数は激減。
現在は絶滅危惧IB類に分類され、さらに天然記念物として大事に保護されています。
もしあなたが沖縄や奄美大島でイシカワガエルを見つけても、捕まえたりせず離れて見守ってあげてください。
この美しいカエルを未来の日本人に残すために、私たち一人一人が努力を続けていかなければならないのです。
イシカワガエルの寿命
イシカワガエルは研究の希少な生き物であり、寿命についてもまだよく分かっていません。
四年ほど生きるとも考えられていますが、これも自然の環境下での話であり、人間が安全に飼育すればもっと長く生きる可能性があります。
イシカワガエルの個体数が増えれば、研究も進み、いずれは彼らの生態についてより詳細に分かる時が訪れるはずです。
その日が来るのを楽しみにしながら、保護活動が成功することを祈りましょう。
まとめ
・イシカワガエルは、沖縄と奄美大島にのみ分布する日本の固有種
・イシカワガエルは山地の渓流付近に生息し、日本一美しいカエルと言われる
・系統など詳しい研究は進んでおらず、絶滅危惧種のため飼育も売買も禁じられている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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