クロサンショウウオは、東日本一帯で見られる生き物です。
犬猫はおろか、ヘビやカエルと比べても人気の無い生き物ですが、よく見ると顔に意外と愛嬌があります。
そんなにあちこちに分布しているなら、個体数も多いように思えますが…さて、実態は?
今回は、そんなクロサンショウウオの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
クロサンショウウオの特徴
クロサンショウウオは、両生類有尾目サンショウウオ上科サンショウウオ科サンショウウオ属の生き物です。
前述の通り東北、関東、北陸や中部の一部、さらには佐渡島にまで、東日本に広く分布している日本固有種。
佐渡島の個体群はかつてサドサンショウウオと呼ばれていましたが、遺伝子解析によりクロサンショウウオの同一種だと判明しました。
名前の通り、日本のサンショウウオの中でも特に黒っぽい体の持ち主です。
種小名の『nigrescens』も、ラテン語で「黒ずんだ」、「黒みがかった」を意味します。
体長は12cmから18cmほど。尻尾は縦に平たく、このサイズのサンショウウオとしては長めの手足が特徴です。
近年の研究で、西日本一帯に生息するカスミサンショウウオとは近縁の種であることが判明。
この二種の共通の祖先が、本州ほぼ全域にまで勢力を広げていた可能性が浮かび、研究者たちを驚かせています。
クロサンショウウオの生態
[ad#co-1]クロサンショウウオは、主に山地の森林に生息しています。
昼は石や落ち葉の下に隠れ、夜になると這い出して小型の昆虫や節足動物、ミミズなどを捕食します。
小さな生き物なので、タヌキ、キツネ、イタチ、肉食の鳥など天敵多数。
肉食の水棲昆虫やアメリカザリガニも、幼生の頃の彼らにとっては恐ろしいハンターです。
春先から夏にかけて水辺に集まり、数十個もの卵が入った卵嚢を産みつけます。
卵は一月ほどで孵化し、大半の幼生はその年の内に手足が生えて陸地に上がります。
トウホクサンショウウオとは、幼生の頃の姿が専門家でも見分けがつかないほどそっくりです。
成体になってから判別するか、卵嚢を見て区別するのがベターと言われています。
バナナ状に丸まったトウホクサンショウウオの卵嚢と比べて、クロサンショウウオの卵嚢はアケビの実のような形をしています。
また、クロサンショウウオの方が、より流れの緩やかな水辺を産卵場所として好むようです。
クロサンショウウオの販売値段について
広い地域で見られるクロサンショウウオですが、彼らの個体数は危険なほどの早さで減少しています。
移動能力が低く、また繁殖のために水辺から遠くへ離れられないサンショウウオは、もともと環境への依存度が高い生き物です。
開発により生息地の自然が破壊された結果、クロサンショウウオも大きな打撃を受け、現在は準絶滅危惧種に指定されています。
ペットショップで探せば2000円から3000円ほどで販売していますが、彼らの現状をよく理解した上で購入を検討しましょう。
クロサンショウウオの飼育は可能?
日本の法律では、準絶滅危惧種の飼育には制限がありません。
よってクロサンショウウオの飼育に特別な許可は不要ですが、地域によっては県や市の天然記念物に指定されていることもあります。
クロサンショウウオの飼育を考えていらっしゃる方は、現在お住まいの地域の自然に関する情報にも目を通すように心掛けてください。
まとめ
・クロサンショウウオは、東日本一帯に広く分布する日本固有種
・クロサンショウウオは名の通り黒っぽい体を持ち、現在準絶滅危惧種に指定されている
・クロサンショウウオはペットショップなどで2000円~3000円で購入可能
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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