江戸時代、鎖国を行っていた日本は、ヨーロッパの人々にとってほとんど未知の国でした。
長崎の出島で働いていたシーボルトが大量の標本を持ち帰り、これにより初めて西欧社会に日本の動植物が知られることとなったのです。
そのため、この時に学術的な分類が為された生き物の中には、一見して日本原産とは思えないような名前がついているものがいます。
シュレーゲルアオガエルもその一つです。擬人化したらドイツ語でも話しそうな名前ですが、実は日本の固有種だったりします。
今回はそんなシュレーゲルアオガエルの特徴と生態、販売値段と寿命についてご紹介します。
シュレーゲルアオガエルの特徴
シュレーゲルアオガエルは、両生類無尾目アオガエル科の生き物です。
北海道を除くほぼ日本全土に分布する固有種ですが、オランダの動物学者ヘルマン・シュレーゲルを名前の由来としています。
体長は3cmから5cm、雌の方が一回りほど大柄です。
おなかは白く、背は鮮やかな緑と、カエルと言われて誰もが思い浮かべるような肌の色をしています。
くりくりと愛らしい大きな目をしていて、足には水かきが、さらに指先には吸盤がついています。
このことから泳ぐ以外に木登りも得意としており、葉っぱの上などで見かけることもあります。
外見はモリアオガエルに似ていますが、目の周りの虹彩の色で判別できます。虹彩が黄色だったら、シュレーゲルアオガエルです。
シュレーゲルアオガエルの生態
[ad#co-1]シュレーゲルアオガエルは水田や森林に生息し、小型の昆虫や節足動物を主な食べ物にしています。
繁殖期は4月から5月にかけての一か月ほどですが、地域によって2月から8月までバラつきがあります。
雄は岸辺で喉元の鳴嚢を膨らませ、「コロロ、コロロ」と甲高い声で鳴いて雌を誘います。
この時、シュレーゲルアオガエルは物陰の奥や地中にいることが多く、なかなか姿を見せてくれません。
卵は水中ではなく、岸辺の地中や水上に産み付けられます。まずメレンゲのような泡を用意し、その中に数百個ほどの卵塊を産むのです。
この泡は孵化するまで乾燥から卵を守り、雨などと共にオタマジャクシを水の中へと導きます。
水場がすぐ側にある田んぼの畦道は、彼らにとってとても都合のいい産卵場所です。
水田の縁や稲の根元に泡に包まれた卵塊がある様は、一頃の日本では非常に有り触れた光景でした。
シュレーゲルアオガエルの販売値段
シュレーゲルアオガエルは、ペットショップなどで1000円前後で購入が可能です。
分布も広く、個体数も全体的に見れば安定しているのですが、水田の喪失に合わせて地域によっては姿を消しつつあります。
大阪府、兵庫県、栃木県、千葉県などでは準絶滅危惧種に、東京都では絶滅危惧II類に指定されています。
その独特の産卵方法から、飼育の難度はやや高めとされています。購入を検討されている方はどうか大切に育ててあげてください。
シュレーゲルアオガエルの寿命
シュレーゲルアオガエルは完全に大人になるまでに2年ほどかかり、寿命は5年から7年くらいだと言われています。
こんな小さな体で、意外なほど長生きです。
愛情をこめて世話をすれば、耳に心地いい綺麗な鳴き声を何年も聞かせてくれるでしょう。
まとめ
・シュレーゲルアオガエルは江戸時代に海外の学者に命名された日本の固有種。
・シュレーゲルアオガエルは泡に包まれた卵を陸地に産み付けるという珍しい生態を持つ
・シュレーゲルアオガエルは地域によって姿を消しつつあるが、一匹1000円前後の値段で購入できる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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