テナガザルという動物をご存知でしょうか。分類上、ゴリラやチンパンジーに次いで人に近い種の生き物です。
シロテナガザルは、そんなテナガザルの中でもっとも代表的な種です。
長い手を伸ばして枝から枝へと移動する姿を、テレビで見たことがあるという方も多いかと思います。
しかしどこに暮らしているのか、他の猿とどう違うのかといわれると、なかなか答えられません。
名前が知られているわりに、実態はあまり知られていないのです。
今回はそんなシロテナガザルの生態と性格、生息地についてご紹介していきます。
シロテナガザルの生態
シロテナガザルは、哺乳類霊長目テナガザル科テナガザル属の動物です。
大きさはニホンザルと同じか、一回り小さいくらい。ただ、姿はかなり違います。
シロテナガザルはニホンザルよりもほっそりとしたスマートな体つきをしており、とても長い腕を持っています。
これは樹上での生活に適応した結果です。
自分の体を腕だけで支えられるほどの力持ちで、これがあの雲梯を渡るような独特の移動方法を成立させているのです。
枝が途切れている時は大きくジャンプして、隣の樹へ一気に飛び移ります。
主に樹の上で活動し、花や新芽、果実を食料とします。
虫や鳥の卵を食べることもありますが、植物性の食べ物のほうが好きなようです。
シロテナガザルの体で白いのは顔と手足の先端だけで、他の部分の毛は黒から茶色、クリーム色まで地域や個体によって様々です。
ではどうして名前にシロという言葉が入っているかというと、最初期に見つかった個体が全体的に白っぽい毛並みをしていたのです。
そこからこの名が付き、後になって白っぽくない毛並みの個体が発見されたという次第。
まさかこんなに色のバリエーションが豊富だなんて、誰も思わなかったんです。
猿としては珍しく、シロテナガザルは一夫一婦で繁殖します。一度ペアを決めると、生涯同じ相手としか子供を作りません。
生まれたばかりの子どもは全身の毛が白く、八年ほどかけて大人になります。
野生での寿命は二十数年と言われていますが、人間の飼育下では五十年近く生きた個体もいるようです。
[ad#co-1]シロテナガザルの性格
シロテナガザルは、子供の内は大人しいのですが、大人になるにつれて警戒心が強くなります。
朝と夕に、あるいは他の群れが近づくたび、大声で吼えて縄張りを主張します。
そうやって同種族で必要以上に傷つけあうことを避けているのです。
なかなか人に慣れず、時に牙を剥いて仲間を威嚇するシロテナガザル。
しかし、それは家族への深い愛情の裏返しなのかもしれません。
野生のシロテナガザルがいる生息地
シロテナガザルは、タイやミャンマーなどのマレー半島から、インドネシアやスマトラ島にかけて東南アジアの南北に広い地域に分布しています。
これらの地域では森林伐採が進み、シロテナガザルの暮らす熱帯雨林がすさまじい速さで失われているのです。
住処を失い、年々その個体数を減らしているシロテナガザル。
絶滅危惧種として保護活動が進んでいるのが現状です。
まとめ
・シロテナガザルは長い腕を持つ、主に樹上で生活する雑食性の猿
・シロテテナガザルは一夫一婦制で繁殖し、一度ペアを組むと生涯同じ相手としか子を作らない
・シロテテナガザルはマレー半島やインドネシア、スマトラ島に生息する絶滅危惧種
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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