まん丸な目玉をしたスローロリスというサルの仲間を知っているでしょうか。
以前はペットとしても流通していた原始的なサルですが、実は哺乳類の仲間では珍しいことに毒を持っているのです。
ペットとして飼育されることもあるのに毒があるスローロリスは危険ではないのか…。
今回はスローロリスの毒の強さや成分について深掘りしていきます。
スローロリスの生態
スローロリスは体長26.5-38cm、体重0.4-2kgと小柄な動物です。
サルの仲間ですが尻尾が退化しているので別の生き物に見えます。
何よりも特徴的なのは大きくてつぶらな瞳です!
見た目が可愛らしいこととその珍重性から、愛玩動物として飼育されることも多いようです。
しかし、その影響もあって乱獲されてしまい、現在は世界規模で生息数が激減していまっています…。
今は絶滅危惧種に指定されており、飼育することはできなくなっています。
スローロリスの食性
スローロリスは主に樹液や花の蜜、蜜を分泌する植物部位、果実を食べています。
雑食性なので他にも昆虫やクモ、カタツムリ、鳥の卵、小鳥も食べてしまいます。
可愛らしい見た目に反して意外と肉食系ですね…笑
スローロリスの生息場所
スローロリスはバングラデシュやアッサム、ベトナム、マレーシア、ジャワ島、ボルネオ島などに分布しています。
私は以前インドネシアやマレーシアに旅行に行ったことがあるのですが、運良くマレーシアでは野生のスローロリスを観察することができました。
本当に動きが鈍く、哺乳類では珍しいことにゆっくりと観察することができました。
スローロリスは樹上生活を送っており、主に夜行性です。
常緑樹が映える熱帯雨林を好むと言われています。
実際に私が観察した場所も熱帯雨林のジャングルに囲まれた地域でした。
全く音を立てずに移動するため、臆病な小鳥でさえ近づかれても気づかないと言われています。
一見このゆっくりとした動きは生物的には不利なイメージが強いですが、これ鈍さが生き残るための戦略になっています。
夜間は虫や鳥は音を便りに身を守っているので、スローロリスにとっては獲物を捕まえるのは容易だそうです。
また、動きが遅いのは戦略でもありますが、食べた植物を消化・解毒するための代謝にエネルギーを使っているからだとも言われています。
スローロリスが保有する毒
スローロリスは唯一毒を持っているサルです。
全てのスローロリスは肘の内側に腺を持っており、そこから出る分泌物を唾液と混ぜることで毒を生成します。
この毒は刺激臭がすることから外敵を寄せ付けない効果があると言われています。
それをグルーミング(毛づくろいなど)するときに全身に広げます。
スローロリスの親は子供の体にもグルーミングをして毒を体に塗り込むそうです。
毒の成分と強さ
この毒は成分については解明されていませんが、人が咬まれたことで炎症を起こして死亡した例があるそうです…。
ヒト程度の大きさの動物を死に至らせることのできるくらい強い毒のようですね…。
だからか、小型の肉食動物であるネコ科の仲間はスローロリスは襲わないと言われています。
この毒は傷口などから注入する必要があるため、毒は飲み込んでも消化器で分解されてしまうと言われています。
そのため、スローロリスも大型の肉食動物には捕食されてしまいます。
代表的な捕食者はニシキヘビやタカ、オラウータンなどが挙げられます。
ただやっぱりヒトが死んでしまうほどの強い毒を持っているというのは恐ろしいですね…。
可愛い顔して怖い奴です…笑
まとめ
・スローロリスは常緑樹が生える熱帯雨林に好んで生息する
・食性は雑食性で植物の樹液や花の蜜、昆虫、小鳥などを捕食する
・スローロリスはヒトが死亡してしまうほど強い毒を保有する
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