名は体を表すという言葉がありますが、広い地球には名前を聞いただけでは正体の分からない生物もたくさんいます。
ヒャンはその代表格の一つでしょう。彼らはヘビの仲間で、非常に派手な模様と恐るべき毒性を備えています。
しかし風変わりな名前も合わせてインパクト抜群の特徴を持ちながら、ヒャンはかなりマイナーな生き物です。
彼らが日本の固有種であることを知らない方も、少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、そんなヒャンの特徴と生態、販売値段と飼育が可能かどうかについてご紹介します。
ヒャンの特徴
ヒャンは、爬虫類有隣目ヘビ亜目コブラ科ワモンベニヘビ属に分類される生き物です。
前述の通り日本固有種で、奄美大島、請島、加計呂麻島、与路島に分布しています。
同じく南西諸島の一部に生息するハイ(オキナワハイ)、クメジマハイとは亜種の関係にあります。
体は鮮やかなオレンジ色で、黒い縦縞が五本入っています。登山用ザイルのような色合いで、初めて見るとびっくりすること請け合いです。
コブラ科のヘビだけあって強力な神経毒を有しており、その毒性はハブの4倍から5倍ともいわれています。
こう書くと非常に恐ろしい生き物のようにも思えますが、ヒャンは毒蛇としては危険な種だと考えられていません。
というのも、ヒャンは体長が30cmから60cm程度にしかならない小型のヘビなのです。
噛む力も弱く毒牙も小さく、人間の肌を突き通すこともできないほど。
さらに一度に流し込む毒の量も少なく、人体に害を及ぼすことはまずありません。
生息地の破壊により個体数が減少し、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。
ヒャンの生態
[ad#co-1]サンゴヘビにも似た模様を持つヒャンですが、彼らは陸生のヘビです。
山地の森林に生息し、地表を生活の場としています。
肉食で、主な獲物は自分より小型のヘビやトカゲなど。
おとなしい性質で、敵に襲われても咬みつくことは滅多になく、尻尾の先端で相手を突いて威嚇します。
春に交尾を行い、夏になると一度に2個から4個ほどの卵を生みます。
ヒャンとは奄美大島の方言で「日照り」を意味し、そのド派手な模様と強力な毒からかつては実態以上に恐れられていました。
ヒャンの販売値段について
インパクトのある見た目で、かつ小型でおとなしい性質のヒャン。
ペットとしても人気があるのだろう…と思いきや、亜種であるハイ(オキナワハイ)、クメジマハイともども滅多に店頭に並びません。
理由としては、彼らが飼育に特別な許可のいる『特定生物』であることが挙げられます。
毒を持つ生物を飼育するには、役所への登録が必要です。
「そこまでするならもっと大きなヘビが飼いたい」という方は多いようで、ペットとしての人気が低く、店でも扱わないという次第。
どうしてもヒャンを購入したければ根気強く探すか、個人的に注文するしかありません。
もちろん、ちゃんと登録することもお忘れなく!
ヒャンの飼育は可能?
手に入れるのもなかなか大変ですが、登録さえしてしまえば、ヒャンを飼育することは可能です。
このサイズのヘビでも人間の飼育下であれば10年前後は生きるため、息の長い付き合いになるでしょう。
特定生物に指定されている種ならではの難しさはありますが、驚いた時に尻尾で威嚇してくる様はなかなかキュートです。
一部では「萌えヘビ」なんて愛称もあるようで、興味がある方はぜひ飼育を考えてみてください。
まとめ
・ヒャンは奄美大島、請島、加計呂麻島、与路島に分布する小型のヘビ
・ヒャンはハブの数倍という強力な毒を持つが、毒牙が小さく人間にはほとんど害が無い
・ヒャンは「特定生物」に指定されているため飼育が難しく、流通量も少ない
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