「スッポンのように食らいつく」…疑惑などを徹底的に追及する様を意味する言葉です。
そんな慣用句になるほど日本ではお馴染みの生き物であるスッポン。
しかし、彼らの仲間が日本に二種生息していることはそれほど知られていません。
その名もニホンスッポンとシナスッポン。あまり聞かない名前ですが、それぞれどんな特徴があるのでしょう。
そこで今回は、そんなニホンスッポンとシナスッポンの違いと見分け方についてご紹介します。
ニホンスッポンとシナスッポンの違い
ニホンスッポンとシナスッポンは、爬虫類カメ目潜頸亜目スッポン上科スッポン科スッポン亜科キョクトウスッポン属の生き物です。
名前に国名が入っているところから分かる通り、ニホンスッポンは日本に、シナスッポンは中国に分布していました。
しかし養殖のために持ち込まれたと思われる個体が脱走、繁殖し、今では東アジアのあちこちに両種がすっかり定着しています。
困ったことに、それがどれくらい前のことなのか分かっていません。流木などで自然に流れ着いたのではという説もあります。
両種は亜種の関係にありますが、一方で「同一種なのではないか」とする研究者もいて、今も結論は出ていません。
実際普通に交配可能で、亜種ではないとする説にも論拠がないわけではないのです。
これらの事情から、もはやニホンスッポンとシナスッポンを明確に分けることは不可能という意見もあります。
ニホンスッポンの特徴
ニホンスッポンは、日本の本州から南西諸島、台湾、ハワイなどに分布しています。
なぜハワイにもいるかというと、養殖目的で持ち込まれて脱走した個体が現地で繁殖…というパターンです。
それだけ肉が美味で、人間社会で珍重され、かつある程度の暖かさがあれば場所を選ばず生き抜ける生命力のある生き物といえます。
カメの仲間ですが甲羅が柔らかく、水中生活に特化した生態を持っています。
池や沼、流れの緩やかな河川に生息し、魚や甲殻類、水草まで食べる雑食性。顎の力が強く、淡水の貝でも噛み砕いてしまいます。
近年の開発によって生息地の環境が破壊され、野生での個体数は減少。
養殖されているため絶滅の危機とは無縁ですが、意外にも国際自然保護連合で絶滅危惧II類に指定されています。
[aside type=”normal”]ニホンスッポンについて合わせて読みたい記事がこちら!
ニホンスッポンの基本情報
→ニホンスッポンの特徴と生態は?販売値段と寿命はどれくらい?[/aside]
シナスッポンの特徴
シナスッポンは、ロシアや中国、日本の北海道より南の地域に分布しています。
ニホンスッポンとは亜種の関係にあり、交配も可能なことから極めて近縁な種だと考えられています。
ニホンスッポンと同様に水中での生活に特化した生態を持ち、柔らかい甲羅は防御力が低い代わりに軽量なため、意外と機敏です。
貝でも淡水蟹でも噛み砕く強力な顎と、肉でも草でも食べられる雑食性で、人の手で持ち込まれた先でも元気に大繁殖しています。
ニホンスッポンとシナスッポンの見分け方
同一種と見る向きもあるニホンスッポンとシナスッポンですが、外見から見分けることもできます。
まずは体色。ニホンスッポンは灰色から褐色の肌をしているのですが、シナスッポンはやや黄色みがかった色の個体が多いのです。
もう一つは甲羅の形。ニホンスッポンの甲羅は前後に長く、シナスッポンのものは後ろの部分が丸みを帯びる特徴があります。
自然環境下は交配が進み、地域によってはどちらの種とも言い切れない個体も少なくありません。
この二種が消滅し、両方まとめて新たな名前のスッポンとして扱われる日も、遠いことではないかもしれません。
まとめ
・ニホンスッポンとシナスッポンは、東アジアに分布するスッポンの仲間
・ニホンスッポンとシナスッポンは亜種の関係だが交配も可能で、同一種とする説もある
・ニホンスッポンとシナスッポンは、体の色と甲羅の形で見分けることができる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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コメント
コメント一覧 (1件)
両種は亜種の関係にありますが、一方で「同一種なのではないか」とする研究者もいるとは?
亜種というのは種の下位分類であり、種ではない。なので亜種同士は同種のため交雑可能であるのは当然である。
こんなやくたもない文章を書く前に亜種の意味について最低限の学習をすべき。
本当に20代が書いた文章なのだろうかと疑いたくなった。