猿と聞いて、どんな動物をイメージされるでしょうか。
真っ先に思い浮かぶのは、やはりニホンザルやチンパンジー、オランウータンなどの有名所。ゴリラも間違いなくその一つでしょう。
しかし一口にゴリラと言っても、その中に複数の種が存在することはご存知でしょうか。
今回は、そんなゴリラの中からニシゴリラの生態と性格、野生での生息地についてご紹介します。
ニシゴリラの生態
ゴリラは哺乳類霊長目ヒト科ゴリラ属の動物です。ヒト科の動物を類人猿といいますが、その中でも特に大型です。
この内、生息域の西側の個体群をニシゴリラと呼びます。ニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラの二つの亜種が含まれ、ヒガシゴリラと比べると少しだけ小柄です。
体長は大人の雄で170cm前後、体重は200kg近くにもなります。
何を食べればこんなに大きくなるのかと思えば、主食は植物。特に好むのは果実ですが、アリなどの昆虫を道具を使って捕まえることも知られています。
あまり栄養が無い代わりに独特の味がする果実に目が無かったり、それぞれの群れに独自のアリの捕まえ方があったりと、食文化のようなものがあるとも考えられています。
シルバーバックと呼ばれる、背中の毛が白くなった大人の雄を中心に、20頭から30頭ほどの群れを作って暮らしています。
体が大き過ぎるため木登りは苦手で、生活の場は主に地上です。休む時は草を倒して即席の寝床を作ります。
天敵は豹、人間、そして病気です。人間に近い動物であるゴリラは、人間と同じ病気にかかってしまうことがあります。
今も多くの人が苦しむエイズやエボラ出血熱に、ニシゴリラも苦しめられているのです。
ニシゴリラの性格
[ad#co-1]創作物などで描かれる乱暴なイメージに反し、実際のゴリラは穏やかで繊細、そしてとても頭のいい動物です。
ココという名の雌のゴリラをご存知でしょうか。
アメリカで飼育されていたニシゴリラ(ニシローランドゴリラ)である彼女は、ある特別な能力を持つことで知られていました。
ココは手話を使って、人間とコミュニケーションを取ることができたのです。最終的には二千ほどの単語を覚えたと言われています。
彼女がどこまで人間の言語を理解していたのかは分かりません。やらせではないかという否定的な意見もあります。
しかしココが「猫を飼いたい」、「歯が痛い」といった要望を飼育員に訴えたこと、与えられた猫を我が子のようにかわいがり、虫歯の治療を受けたことは事実です。
このことから、彼女は言葉の意味をある程度理解し、自分の意志を伝えるツールとして用いることができたと考えられています。
これはニシゴリラという動物の知力の高さを語る上で、非常に興味深いエピソードだと言えるでしょう。
野生のニシゴリラがいる生息地
ニシゴリラはコンゴ、ガボン、カメルーン南部などの森林地域に生息しています。
森林の破壊や人間が持ち込んだ病気によってその個体数は減少しており、絶滅危惧種に指定されています。
中でもクロスリバーゴリラは野生での生息数が数百頭程度と、いつ絶滅してもおかしくない危険な状態にあります。
積極的な保護活動が行われていますが、まだ十分とは呼べないのが現状です。
飼育下での研究や繁殖も進められており、大きめの動物園に行けば会うことができます。
恩賜上野動物園などで飼育されています。
まとめ
・ニシゴリラは雑食性で、道具を使うこともできる大型の類人猿
・ニシゴリラは穏やかな性質の動物で、個体によっては多少の言語すら理解する
・コンゴ、ガボン、カメルーン南部などの森林地域に生息し、絶滅の危機にある
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ゴリラの性格についてはこちら!
→ゴリラの性格は優しい?生態と握力の強さはどれくらい?
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