ピグミーマーモセットという動物をご存知でしょうか。
南米に生息する、いわゆる新世界ザルの一種です。
20世紀末にピグミーネズミキツネザルという種が発見されるまでは、世界一小さい猿であると言われていました。
今回はそんなピグミーマーモセットの生態や性格、野生での生息地についてご紹介します。
ピグミーマーモセットの生態
ピグミーマーモセットは、哺乳類霊長目オマキザル科マーモセット亜科ピグミーマーモセット属の動物です。
マーモセットの仲間は小柄な種が多いのですが、ピグミーマーモセットはその中でも特に体が小さいことで有名です。
体長、なんと10cmから15cm。小型のリスと同じくらいのサイズです。
人間の掌に乗るどころか、指一本にしがみつかせることもできます。
自分の体より長い尻尾が生えていて、これは成獣で20cmくらいになります。
この長い尻尾はバランサーとしての役割を持っていて、細い枝の上を移動する時には便利です。
顔と手足以外の全身にふさふさの毛が生えていて、黒か灰色に少し黄色が混ざったような色をしています。
まるで生きたぬいぐるみ、とても愛らしい姿をした動物です。
多くて10頭ほどの家族単位の群れを作り、主に樹上で暮らしています。
あまり高いところへは登らず、時には地上まで降りてくることもあるようです。
他の猿のように広い範囲を移動せず、数本の木を中心に生活します。
夜になると木の洞や蔦の茂みに集まり、身を寄せ合って休みます。
寿命は野生の個体で12年前後、飼育下では18年生きた記録があるそうです。
ピグミーマーモセットの性格
[ad#co-1]ピグミーマーモセットは社会性の高い動物で、雄も雌もなく群れ全体で協力しながら子育てを行います。
鳥がさえずるような声を出してコミュニケーションを取るのですが、この鳴き方には群れによって個別のパターン、つまり方言のようなものがあると言われています。
繁殖時に雌から人気があるのは、自分の群れとは異なる鳴き方の雄です。
それは他の群れからやってきた雄であり、遺伝子の多様性を守ることにつながるためです。
マーモセットの仲間は基本的に果実から昆虫まで食べる雑食性ですが、樹脂を主食にするという特徴があります。
彼らの小さい体を維持していくには、それで十分なのです。
中でも小柄なピグミーマーモセットは、食料の実に70%が樹脂だとされています。
こうして樹脂食に特化した結果、彼らは非常に珍しい行動を取ることで知られるようになりました。
樹脂を食べる時、ピグミーマーモセットは歯で樹皮を傷つけます。
こうすることで樹脂が染み出てくるのですが、これをすぐには食べずにしばらく放っておきます。
半日もすると、傷ついた樹皮の周りに樹脂がたっぷり溜まっています。
これを舐め取っておなかいっぱいになったら、次の食事のために別の場所の樹皮を傷つけておくのです。
次回の収穫を予想して事前に準備しておく。このような行動が取れるのは、人間以外ではピグミーマーモセットくらいだろうと言われています。
その小さな体に、ピグミーマーモセットは他の猿にも勝るような知恵を備えているのです。
野生のピグミーマーモセットがいる生息地
ピグミーマーモセットは、アマゾン川上流の森林地帯に生息しています。
ペット目的の乱獲と森林開発で個体数が減少し、ワシントン条約付属書IIに分類されています。
日本で見たい場合は飼育されている動物園を探すといいでしょう。草津熱帯園などで会うことができます。
まとめ
・ピグミーマーモセットは、とてもかわいらしい世界で二番目に小さい猿
・ピグミーマーモセットは主食は樹脂で、次回の収穫を予想して準備するという高度に知的な行動を取る
・ピグミーマーモセットはアマゾン川上流の森林地帯に生息している
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
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