アフリカ大陸の東に、マダガスカルという大きな島があります。
8800万年前に大陸から分離したこの島には、外部から干渉を受けずに進化を続けてきた、独特な動植物がたくさん生息しています。
クロシロエリマキキツネザルもその一種です。
一見どんな種類の動物か分からないような姿をしていますが、れっきとした猿の仲間です。
そんなクロシロエリマキキツネザルの生態と性格、野生での生息地についてご紹介します。
クロシロエリマキキツネザルの生態
クロシロエリマキキツネザルは、霊長類曲鼻猿亜目キツネザル下目キツネザル上科キツネザル科エリマキキツネザル属の動物です。
体の大きさは50cmから55cm、尻尾は体長よりも少し長いくらいになります。
キツネザルの仲間の中ではもっとも大型の種です。
鼻から下が前に伸びていて、キツネかタヌキを思わせる顔立ちをしています。
これはキツネザルの仲間に共通した特徴で、彼らが他の地域の猿の仲間とはまったく異なる進化の道を辿った証拠でもあるのです。
全身を黒と白、パンダカラーのふわっとした毛に覆われていて、特に首の周りには長くて白い毛が生えています。
この独特の外見から、種族の名前がつけられました。
数頭ほどの家族単位の群れを作り、ほぼ常に樹上で生活しています。
鳴き声が大きいことでも知られていて、群れ全体で吼え立てて、自分たちの縄張りを主張します。
果実、種子、木の葉など植物性の物を食べて暮らしていて、特に花の蜜は大好物です。
彼らと特定の植物の分布が重なっていることから、蝶や蜂のように花粉の運搬役として共生しているのではないかとも言われています。
ほぼ完全な草食ですが、稀に地上に降りて土を食べることがあります。植物を食べるだけでは不足がちなミネラルを、塩分などが含まれる土を食べることで補っているのです。
主な生活圏である木の上に、猿の仲間としては珍しく巣を作ります。
ここで子育てをするのですが、母親は自分が食べ物を探しに行く時に子を巣の中に置き去りにしてしまいます。
クロシロエリマキキツネザルが原始的な猿の性質を多く残していることの一例だと考えられています。
野生での寿命は二十年ほどですが、飼育下では三十年以上生きた個体も確認されています。
クロシロエリマキキツネザルの性格
[ad#co-1]マダガスカル島は、人類が地球上でもっとも後になってから定住するようになった場所だと言われています。
人間というものに接してこなかったこの島の動物の多くは、良くも悪くも人間をあまり恐れません。
持ち前の好奇心を発揮して、彼らの方から近づいてくることもあります。
クロシロエリマキキツネザルも例外ではなく、動物園などでは飼育員に懐いて肩に乗ったりして遊ぶこともあります。
しかしこの人懐っこい性格と、かわいらしい外見が、クロシロエリマキキツネザルに悲劇をもたらしました。
生息地の破壊に加えてペット目的の乱獲が続き、彼らは今絶滅の危機にあるのです。
野生のクロシロエリマキキツネザルがいる生息地は?
クロシロエリマキキツネザルは、マダガスカル島の北東部に広がる、常緑樹の森に生息しています。
保護活動が進み、野生の個体と会うのはなかなか大変です。
クロシロエリマキキツネザルに会いたい時は、国内で飼育している動物園を探すといいでしょう。
上野動物園などで見ることができます。
まとめ
・クロシロエリマキキツネザルは、原始的な猿の特徴を持った草食性の猿
・驚くような大声で縄張りを主張する一方、人懐っこい面を持つ
・マダガスカル島北東部にある、常緑樹の森林地域に生息している
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
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